2024.12.31 17:05クーポラだよりNo.118~難波先生の『ため息』~1979年11月26日、岡山市民会館1階の観客席で高校1年生の私は初めて聞く難波先生のピアノ演奏に圧倒されていました。難波先生は、私の母校である山陽女子高等学校音楽科講師のおひとりで、高1から高3までの3年間、私のピアノ個人レッスンを担当してくださった先生です。私が初めて難波先生にお会いしたのは、中学3年生の夏休みです。当時、音楽科を併設...
2024.12.31 16:58クーポラだよりNo.117~パリアッチと大人バレエクラブの文化祭舞台発表~「パリアッチ、歌ってください」30年前、岡山市内の夜景が眺望できる高層ビルの最上階のラウンジで、弾き語りのアルバイトをしていたある夜、お客様からリクエストされました。パリアッチとは、イタリア語で道化師という意味ですが、まさにその名前のオペラがあります。1892年に初演されたレオンカヴァッロ作曲のオペラ「道化師」です。オペラ「道化師」の登場...
2024.10.30 04:47クーポラだよりNo.116~6度目の完走~6年前の2019年から年に1度のオートバイラリーに参加しています。ラリーの名前はサンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー、略してSSTRという愛称で親しまれています。このラリーのルールはその名前が示すように、日の出とともにスタートし、同日の日没までにゴールします。スタート地点は、太平洋側の海辺(瀬戸内海も可)なら、日本列島どこでも可、た...
2024.10.30 04:41クーポラだよりNo.115~スカラ座の名歌手ルチアーノ・パヴァロッティの言葉~オペラ歌手を夢見てイタリア留学に思いを募らせていた20代の頃、私の愛読書は『スカラ座の名歌手たち』でした。スカラ座とは、イタリアのミラノ市中心街にあるオペラハウスのことです。その歴史は古く1598年まで遡り、オペラが誕生した頃とほぼ同じです。スカラ(scala)とは、イタリア語で階段という意味です。しかし、オペラハウスの名前が「階段」に直...
2024.10.30 04:35クーポラだよりNo.114~ピカソが天才だと実感したとき~「この歳(87歳)になって、やっと子供らしい絵が描けるようになった」という言葉を残したのは、スペインの画家パブロ・ピカソです。ピカソは1881年(明治14年)、スペインのアンダルシアに生を受け、1973年(昭和48年)、91歳の時、南仏で亡くなりました。私が初めてピカソを知ったのは小学生の頃、テレビニュースで映し出された本人です。ベレー帽...
2024.10.30 04:20クーポラだよりNo.113~ゴッホのひまわりと友人~猛暑日が続く炎天下、太陽に向かって元気いっぱいに花を咲かせているひまわりを見ると、私が真っ先に思い浮かべるのはゴッホが描いたひまわりです。37歳の時、画題として好きだった麦畑の中でピストル自殺してしまったゴッホですが、亡くなる2年前、35歳の真夏から真冬にかけての半年間に、合計7点のひまわりの絵を描いています。現像するのは6点、いずれも花...
2024.10.30 04:10クーポラだよりNo.112~ベルばらごっこと元宝塚スターのバレエバー~愛それは甘く 愛それは強く 愛それは尊く 愛それは気高く 愛、愛、愛あぁ愛あればこそ 生きる喜び ああ愛あればこそ 世界は一つ 愛ゆえに人は美しこの少しセンチメンタルな歌詞は宝塚歌劇団が1974年8月29日に初演した「ベルサイユのばら」の劇中に歌われる「愛あればこそ」という歌詞の1番です。「ベルサイユのばら」は今年50周年を迎える宝塚の人...
2024.06.23 04:59クーポラだよりNo.111~飛行家とオペラ椿姫~黎明期の日本の飛行家たちを調べているうちに魅力的な飛行家に出会いました。その人はバロン(Baron)滋野、大正時代の飛行家です。バロン(Baron)とはフランス語で男爵という意味で、彼のフランス人の部下や仲間たちが尊敬と親しみを込めた呼び方で、第一次世界大戦、フランス陸軍航空隊に入隊し大活躍、レジオンドヌールを授与された英雄です。本名は滋...
2024.06.23 04:55クーポラだよりNo.110~ももたろう自動車学校の卒業検定とバレエの振り付け~私が初めて二輪を運転したのは音大生の時です。先輩の男子学生が乗っていたおしゃれなスクーターに興味を惹かれて、試し乗りさせてもらったのです。スクーターの運転操作は単純です。ハンドルの右側がアクセルで、アクセルレバーを真上から握って、手前から外へ向かって手首を回すだけで加速します。ブレーキは、自転車と同じです。ハンドルの右側に前輪ブレーキ、左...
2024.06.23 04:44クーポラだよりNo.109~『ベサメ・ムーチョ』と父の思い出~Bésame mucho※Bésame, bésame mucho,ベサメ・ベサメ・ムーチョComo si fuera esta noche la última vez.コモ・シ・フエラ・エスタ・ノチエ・ラ・ウルティマ・ベスBésame, bésame mucho,ベサメ・ベサメ・ムーチョQue tengo miedo perderte,...
2024.06.23 04:32クーポラだよりNo.108~私とイタリア語~留学を目指して、一生懸命イタリア語を勉強していたころ、思うようにイタリア語が口から出でなくて、歯がゆい思いをしました。私に本格的なイタリア語を勉強できる好機が訪れたのは1990年、27歳の時です。岡山市に在住していたマリア・ローザさんというイタリア人女性を、知人を通じて紹介してもらい、彼女の家で個人レッスンを約3年間受けました。独身時代の...
2024.02.01 09:45クーポラだよりNo.107~オペラ「ラ・ボエーム」の思い出~遠い記憶をたどれば、私が初めて見たオペラは「ラ・ボエーム」でした。小学生の時、学校の授業だけではもの足らず、もっとたくさんの歌を知りたかった私は、新聞のテレビ番組欄で歌番組を見つけると、毎日必ず見ていました。歌謡曲、クラッシック、民謡など、ジャンルにこだわりはなく、とにかく、素敵な詩に音がつき、それを人の声で奏でているならば、食い入るよう...