クーポラだよりNo.119~第7回みんなの発表会を終えて~


「どなたでも、洋の東西、ジャンルを問わず、お好きなことを発表しましょう」との呼びかけに応えて集まってくださった方々のための発表会、「みんなの発表会」の第7回目が先週土曜日無事に終了いたしました。


今回の発表者は男性2名、女性は私を含む9名、計11名、スタッフは司会やマルシェ販売員など2名、合計13名の運営側と数名のお客様とで楽しい時間を持つことができました。


プログラム作成などの会の準備は、経費節約のために発起人である私がすべてをこなしていますが、アイデアがあったものの時間が足らずに出来なかったことがありましたので、遅ればせながら今回のクーポラだよりでご紹介します。


それは、発表会で演奏される曲の解説です。プログラム順にご紹介します。


1. ブルクミュラーのアヴェ・マリア…日本ではピアノ初級教則本として知られているブルクミュラー25の練習曲の19番目の曲で、三拍子の柔らかな音楽です。


リュリのガボット…本当はリュリの弟子であるマレの作品です。ガボットとは、バロック時代の代表的な舞踏曲の総称で、元々はビィオラ・ダガンバ用の曲です。


2. いつも何度でも…宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」の主題歌です。小さな竪琴ライアーで弾き語りをする木村弓の姿がマスコミで紹介され大変話題になりました。


3.愛の讃歌…シャンソン界のカリスマ歌手エディット・ピアフが作詞した曲で1950年にレコーディングされて以後、世界的な愛唱歌として歌い継がれています。


4. シクラメンのかほり…歌唱力抜群の布施明の声で昭和50年に大ヒットした昭和の名曲です。この曲をつくった小椋佳は、現役銀行員で、2足のわらじを履いた作曲家であることも話題になりました。


5.真夜中のギター…歌手の千賀かほるのデビュー曲で第11回日本レコード大賞・新人賞を受賞し、フォークソングの名曲として今日まで歌い継がれています。


6. モーツァルトのピアノソナタK309の1楽章…モーツァルトにしては男性的な音楽でベートーヴェンのように力強いソナタです。作曲年は1977年、パリへの旅の途中で訪問した楽器工房で、非常に質の高いピアノに出会ったことが作風に影響したとも言われています。


7. 異邦人…1979年シンガーソングライターの久保田早紀のデビュー曲です。作曲者本人も驚くほど大ヒットし、エキゾチックな旋律が今も古さを感じさせない名曲です。


8. フォーリア…15世紀末のポルトガルあるいはスペインが起源とされる舞曲で、3拍子の緩やかな音楽ですが、フォーリアの語源は「狂気」あるいは「常軌を逸した」という意味をもち、元々は騒がしい踊りのための音楽であったことが想像されますが、時代とともに優雅で憂いを帯びた曲調に変化しました。


9.愛しい人よ…イタリア・ナポリ出身の作曲家ジョルダーノの声楽曲です。作詞者は不明で、愛する女性に対して自分のことを思ってくれるように願う切なく情熱的な歌です。


10.くるみ割り人形よりスペインの踊り…「白鳥の湖」のようにロマンティックなバレエ音楽を作曲したチャイコフスキーの1曲です。くるみ割り人形の物語は、降誕祭のお祝いで、少女クララにプレゼントされた胡桃割り人形が、クララの夢の中で王子に変身し、王子とともに夢の国でクララが見た世界各国の踊りの中の1曲です。


11.フローラの目覚めよりアウローラの踊り…フローラとは花の女神、アウローラとは暁の女神です。白鳥の湖の振り付け家プティパによってロシア皇帝夫妻の結婚祝賀のために作られた1幕物のバレエの中の1曲です。


12.シシリエンヌ…1893年に作曲されたフォーレの短編曲で、その物悲しい旋律は、1度でも聞けば、忘れ難く、人の心を捉えて離さない名曲です。


13. 勇者…ボーカロイドに歌わせた曲で、現代の若者たちから絶大な人気のある作曲家Ayaseの作品です。アニメ「葬送のフリーレン」の主題歌で、普遍的な歌詞内容が世代を超えた人々に共感を呼んでいます。


14.昴…2023年に亡くなった谷村新司の代表作で、ソロ歌手としては自身最高60万枚の大ヒットを飛ばした名曲です。


15.勝手にしやがれ…ジュリーの愛称で親しまれた昭和世代のアイドル沢田研二によって歌われて大ヒットした曲です。ロックリズムで刻まれる粋な音楽は今も新鮮です。


16.トスティのセレナータ…幼い頃はヴァイオリンの神童だったイタリア人トスティは、甘美な旋律をもつ歌曲をたくさん残した作曲家として著名です。セレナータは楽曲形式のことで、夜に恋人の為に窓下などで演奏される楽曲の総称で、ドイツ語ではセレナード、日本では夜曲と訳されます。


17.希望のささやき…新約聖書「ヘブライ人への手紙」を踏まえたクリスチャンソングですが、日本語歌詞には、キリスト教的要素はほぼ除外され、純粋に「希望の歌」として歌われています。


18.麦の唄…2014年NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」の主題歌として中島みゆきが作詞作曲した力強い歌です。


19.アデュー…フランス語で「さようなら」を意味する言葉は「オールボワール」と「アデュー」です。オールボワールは直訳すると「またお目にかかりましょう」の意、アデューは「永遠の別れ」を意味です。アデューの方を題名にしたこの曲は、恋人との永遠の訣別を表した寂しい歌です。


20.月光ソナタ三楽章…月光ソナタの三楽章は、静謐な月の光を彷彿させる緩やかなテンポの一楽章と対比するかのように、アップテンポで情熱的な音楽です。


オペラ「蝶々夫人」より、お母さんはお前を抱いて…もしもピンカートンが帰ってこないとしたら、蝶々さん、あなたはどうやって生活するのですか?との問いに、幼い我が子のために芸者に戻りますと、自分の心情を切々と歌いあげる悲しい独唱曲です。


21.野ばら…ゲーテ作詞の野ばらには、シューベルトとウェルナーの作曲があり、ウェルナーの方は旋律が穏やかでゆったりとしており、シューベルトはスキップするような快活な旋律です。本日はウェルナーの方をアカペラで二部合唱します。


雪山讃歌…西部劇映画"荒野の決闘"の中で、"いとしのクレメンタイン"(元はアメリカ民謡)に第一次南極越冬隊隊長、日本山岳会会長等を務めた西堀栄三郎が作詞、日本のポピュラーソングとなりました。


22.翼をください…フォークグループの赤い鳥が、1971年に発表、1976年以後、教科書出版社の教育芸術社が音楽の教科書に収録して以来、合唱曲として有名となり、老若男女誰でも歌える愛唱歌として定着しました。


以上、26曲、第7回みんなの発表会で演奏した曲です。

とても楽しくて有意義な会となりました。


次回は一層充実した内容となるように、会の皆様といっしょにまた一年間お稽古に励もうと思います。

2025年2月4日

大江利子

クーポラだより

幼い頃から、歌とピアノが大好き! ピアノを習いたくて、習いたくて.・・・。 念願かなって、ピアノを習い始めたのは、13歳。ピアノを猛練習し、 高校も大学も音楽科へ。就職も、学校の音楽の先生。夫、大江完との出会い。 イタリア留学。スカラ座の花形歌手、カヴァッリ先生の教え。33歳から始めたバレエ。 音楽が、もたらしてくれた、たくさんの出会いと、喜びを綴ったのが、クーポラだよりです。

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